ボトルキープの管理は、1本ごとに「誰の・どの銘柄・残りどれくらい・いつ預かった・いつまで」を台帳に残すことから始まります。出すときは名前・札・台帳を突き合わせ、飲み切ったら記録を閉じます。残す項目の決め方と、預かる・出す・閉じる手順をまとめます。
キープのボトルは、お客様がお金を払って入れたものです。店の棚に置いてあっても店の売り物ではなく、お客様からの預かり物として扱います。だから台帳は、店の販売用の在庫表とは分けて、1本ずつ「誰から何を預かっているか」を書くものとして作ります。販売用のボトルとの分け方や棚卸しはシャンパンの在庫管理の記事にまとめたので、ここではお客様の預かりボトルに絞ります。
台帳が崩れると、現場では次のようなことが起きます。
どれも、記録する項目と、預かる・出す・閉じるときの手順を決めておけば減らせます。
紙のノートでもシステムでも、そろえたい項目は同じです。
項目 | 書き方 | 残す理由 |
|---|---|---|
お客様(誰の) | フルネームで。同じ名字の方がいる店は、フリガナなど見分けられる情報も | 出し間違いを防ぐ。持ち主を確かめる根拠になる |
銘柄(ボトル名) | 商品名に、年数や容量まで(例: ウイスキー12年 700ml、麦焼酎 1.8L) | 似たボトルが並んでも取り違えない |
残量 | 誰が見ても同じになる刻みで(10%刻み、または「満・7割・半分・2割」) | 次の来店での食い違いを防ぐ。次のボトルを勧める目安になる |
預かった日 | 開けた日。未開栓で預かるときは預かった日 | 期限を数える起点になる |
期限 | 「半年」ではなく日付で(例: 2027年3月31日) | 声かけと片付けの判断をする日がはっきりする |
保管場所・棚番号 | 店で決めた呼び方で(例: バックヤード 棚A-3) | 探す時間が減る。棚の照合の単位になる |
一緒に飲める方 | 持ち主が了承した連れの方の名前 | 持ち主がいないときに出してよいかの判断材料 |
状態 | 保管中・飲み切り・期限切れ | 棚にあるべきボトルかどうかが分かる |
備考 | 札の番号、未開栓かどうか、割り物の好みなど | 札との照合や、お客様との約束を残す |
残量で話が食い違うのは、人によって見方が違うときです。「ボトルの肩まであれば8割、ラベルの真ん中で半分」のように、どこまで入っていれば何割かを店で決め、キープ棚の近くに貼っておくと、入ったばかりのスタッフでも同じ数字を付けられます。更新するのは、ボトルを出したときではなく、卓から下げて棚に戻すときにします。そのほうが、その日に飲んだ分がそのまま残ります。
期限の長さは店によって違い、決まった基準はありません。大事なのは、開けた日から数えるのか、最後に来店した日から数えるのかまで含めて店で1つに決め、ボトルを入れていただくときにお客様へ伝えることです。来店すれば延ばす、といった延長の決まりがある店は、それも一緒に伝えます。台帳には長さではなく、計算した日付を書きます。日付で書いてあれば、誰が見ても期限切れかどうかを読み違えません。
よく抜けるのは、1か3のどちらかです。注文だけ入れて台帳に登録しないと、次の来店でボトルは見つかっても誰のものか分かりません。登録だけして注文を入れないと、会計にも店の在庫にも載らないボトルが1本できてしまいます。
NightTable では、注文とボトルキープはつながっていません。卓で注文を入れても(注文を入れる・未確認の注文を受け付ける)ボトルキープは自動では作られないので、メニューの「ボトルキープ」から「ボトルを登録」で別に登録します。必ず入れるのは「お客様」「ボトル名」「開栓日」で、「保管場所」「棚番号」「期限」「残量」「共有するお客様」「備考」も入れられます。期限には開栓日の180日後がはじめから入っているので、店の決まりに合わせて直します。保管場所は一度使った呼び方が候補に出るため、書き方がそろいやすくなります。お客様がまだ登録されていなければ、先に「お客様」の「お客様を登録」で名前だけでも登録しておきます。操作の流れはボトルキープを登録・使うにもまとめています。

3の照合を省くと、忙しい時間ほど出し間違いが起きます。「名前・銘柄・棚番号」の3つだけを声に出して確かめる、と決めておくと、手間をかけずに続けられます。
NightTable の「ボトルキープ」では、「ボトル名・お客様名・保管場所・棚で探す」の欄に名前を入れると、そのお客様のボトルが出ます。連れの方の名前でも見つかります。お客様の画面の「ボトル」タブには、そのお客様のボトルに加えて、ほかのお客様と共有しているボトルも「◯◯様と共有」と出ます(お客様カルテを見る・メモを残す)。卓から下げたら一覧の「残量」を押し、「残量を更新」の画面で残量を選んで「保存する」を押します。0%・20%・50%・70%・100%のボタンと、10%刻みで動かせるつまみがあります。
お客様を「キャストに公開する」にしていれば、そのお客様に付いたことのあるキャストは、キャスト画面で銘柄・保管場所・期限・残量を見られます。キャストの画面から残量を変えることはできないので、更新はお店の画面で行います。
飲み切ったボトルを消さずに残しておくと、そのお客様がいつ・何を入れて・どのくらいで飲み切ったかが後から分かり、次の銘柄を勧めるときの材料になります。
NightTable では、一覧の「飲み切り」を押して「飲み切りにする」を押すと、残量が0%になって保管中から外れます。「残量を更新」で0%を保存しても飲み切りになります。編集の画面にある「削除」は記録そのものを消し、元に戻せないので、登録の間違いを消すときだけに使います。
ボトルの状態 | 台帳で見ること | すること |
|---|---|---|
期限まで30日を切った | 期限の近い順 | 来店時や連絡のときに期限を伝える。延長の決まりがあれば案内する |
期限を過ぎて、まだ棚にある | 期限切れのボトル | すぐには片付けず、店で決めた猶予の間に連絡がつくか確かめる。延長するなら期限を直す |
処分した | 状態と備考 | 処分した日・処分した人・連絡の経過を備考に残す |
期限の過ぎたボトルを、お客様に知らせないまま処分するのはトラブルのもとです。期限の長さや処分の決まりは店が決めることですが、「入れていただくときに伝える」「期限の前に一度伝える」「処分したら記録を残す」の3つがそろっていれば、後から聞かれても経過を説明できます。
NightTable の「ボトルキープ」の上には、「保管中」(残量20%以下の本数つき)「30日以内に期限切れ」「今月の開栓」「期限切れ」の本数が出ます。保管中のボトルは期限の日を過ぎると「期限切れ」として表示され、「期限切れ」で絞り込めます。お客様の画面にも「期限が30日以内のボトルが◯本あります」と出るので、来店したときに気づけます。延長するときは「編集」で「期限」を先の日付に直し、「状態」が「保管中」になっているかを確かめます。なお、期限が近いお客様へ自動で連絡を送る機能はないので、連絡はお店から行います。
よくある失敗 | 防ぎ方 |
|---|---|
札が取れて、誰のボトルか分からない | 札の番号を台帳の備考に書いておく。その棚番号にあるはずのボトルから持ち主を絞る |
同じ名字のお客様のボトルを出した | 台帳はフルネームで。出すときに名前・銘柄・棚番号を声に出して確かめる |
残量を更新し忘れる | 卓から下げたときに更新する、と決める。閉店後にその日出したボトルを見直す |
飲み切ったのに「保管中」のまま残る | 空き瓶を片付ける人が、その場で飲み切りにする |
期限切れを知らせずに処分した | 処分は責任者が決め、日付と経過を備考に残す |
連れの方だけで来て、出してよいか迷う | 預かるときに一緒に飲める方を伺っておく。登録のない方の扱いを店で決めておく |
NightTable では、検索の欄に棚番号を入れると、その棚番号のボトルに絞り込めるので、棚ごとの照合に使えます。ボトルキープの登録・変更・削除は「操作履歴」にも残り、オーナーは「対象」を「ボトルキープ」に絞ると、誰がいつ変えたかを確かめられます(操作履歴を見る)。
ボトルキープについて、NightTable でできることとできないことを分けておきます。
できること
できないこと
ボトルを来店・売上・メモとあわせてお店全体で共有する考え方は、ラウンジの顧客管理の記事で紹介しています。

決まった基準はなく、キープ棚の広さやお客様の来店の間隔から店ごとに決めます。NightTable では登録するときに開栓日の180日後が入りますが、1本ずつ変えられます。
開けたボトルと同じく、先に注文を入れてから登録します。預かった日を開栓日の欄に入れ、残量は100%、備考に「未開栓」と書いておきます。見た目が販売用のボトルと同じなので、札を付けてキープ棚に置き、販売用の棚には戻しません。
扱いは店の決まり次第です。知らせないまま処分すると揉めやすいので、期限の前に一度伝え、処分したら日付と経過を備考に残しておくと、後から聞かれても説明できます。
飲み切ったボトルまで移す必要はありません。今キープ棚にある保管中のボトルだけを、棚番号ごとに1本ずつ登録します。移すときに棚番号を振り直して札も新しくしておくと、そのあとの照合が楽になります。お客様がまだ登録されていなければ、先に名前だけでも登録しておきます。
紙の台帳から移すか迷っているときは、今棚にあるボトルを何本かだけ登録し、出す・残量を直す・飲み切るまでを一度試してみてください。NightTable は30日間無料で試せます。料金は料金ページにまとめています。