
インボイス(適格請求書)の領収書には、店の名前と登録番号・取引日・取引内容・税率ごとの金額と税率・消費税額・宛名を載せます。飲食店業などは宛名を省き、税率か税額のどちらかでよい簡易な形も使えます。この記事では、その項目とNightTableで登録番号を印字する手順をまとめます。
インボイス制度では、適格請求書発行事業者として登録したお店に、取引の相手(課税事業者)から求められたら原則として適格請求書を渡す義務と、渡したものの写しを保存する義務があります(国税庁 No.6498)。接待で使った法人のお客様が「インボイスの領収書を」と言うのは、会社側で消費税の仕入税額控除を受けるときに、この書類が要るからです。
載せる項目は国税庁のタックスアンサー No.6625にまとまっています。小売業・飲食店業などが出すものは、記載を簡単にした「適格簡易請求書」でもよいとされています。
項目 | 適格請求書 | 適格簡易請求書 |
|---|---|---|
発行する事業者の名称と登録番号 | 必要 | 必要 |
取引年月日 | 必要 | 必要 |
取引内容(軽減税率の品目ならその旨も) | 必要 | 必要 |
税率ごとに合計した金額(税抜きか税込み) | 必要 | 必要 |
適用税率 | 必要 | 消費税額とどちらか一方でよい |
税率ごとの消費税額 | 必要 | 適用税率とどちらか一方でよい |
受け取る側の名称(宛名) | 必要 | 不要 |
適格簡易請求書を出せるのは、小売業・飲食店業・写真業・旅行業・タクシー業・駐車場業などです(インボイスQ&A 問24)。自分の店がこれに当たるかは、顧問の税理士か税務署に確かめてください。現場で迷わないやり方としては、法人のお客様に頼まれたときに宛名・適用税率・消費税額をすべて載せておけば、どちらの形で見ても項目は欠けません。
項目を知っていても、実際の領収書では次のようなところで抜けや誤りが出やすくなります。国税庁のQ&Aで考え方が示されているものをまとめました。
よくある失敗 | 確かめること |
|---|---|
登録番号の「T」が抜けている・桁が違う | 登録番号は「T」+13桁。法人は「T+法人番号」です(No.6498)。国税庁 適格請求書発行事業者公表サイトで番号と名義を確かめます |
店名(屋号)と、登録した会社名・本名が違う | 電話番号を載せるなどして発行した事業者が分かれば、屋号や省略した名称でもよいとされています(Q&A 問55) |
消費税を品目ごとに計算して足している | 1円未満の端数処理は、1枚の書類につき税率ごとに1回です。品目ごとに丸めて合計するやり方は認められていません。切り捨て・四捨五入などの方法は自由です(Q&A 問57) |
予備の手書き領収書に番号や税額の欄がない | 手書きでも必要な項目がそろえば適格請求書になります(Q&A 問26)。端末が使えないとき用に、登録番号入りのゴム印と税率・消費税額の欄を用意しておきます |
間違えた領収書を渡したまま | 渡した内容に誤りがあれば、直したものを渡し直す必要があります(Q&A 問32) |
もう一つ気をつけたいのが、但し書きがあいまいなまま出してしまうことです。取引内容は品名ごとでなく包括的な書き方でもよいとされていますが(No.6625)、「御飲食代」のように何の代金か分かる書き方にそろえておくと、お客様の経理でも迷いません。
NightTableでは、登録番号は税率やサービス料と同じ「料金・税・サービス料」の画面で入れます。一度入れておけば、そのあとの会計の領収書に毎回印字されます。

変えられるのは設定の権限がある人(通常は店長)だけです。まだ登録していないお店は、欄を空欄のままにします。手順の詳しい説明はセット料金・延長・税・サービス料を設定すると店舗情報・営業時間を設定するにあります。
気をつけたいのは、登録番号が会計を確定したときの設定で伝票に記録されることです。番号を入れる前に会計した伝票の領収書には、あとから番号は入りません。税務署から登録の通知が届いたら、次の営業が始まる前に入れておきましょう。税率やサービス料の率も会計ごとに記録されるので、あとで設定を変えても、過去の領収書の内訳は変わりません。

操作の詳しい説明は領収書を出すにあります。
国税庁の記載事項 | NightTableの領収書に出るもの |
|---|---|
事業者の名称と登録番号 | 店舗名・住所・電話番号と「登録番号 T…」(登録番号は設定したときだけ) |
取引年月日 | 会計した日(レシートは時刻も) |
取引内容 | 但し書きと、基本料金・延長料金・ご注文・指名料・サービス料などの内訳 |
税率ごとの金額と適用税率 | 「10%対象」の金額(小計にサービス料を足し、割引を引いた税抜きの額。カード手数料と端数調整は含まない)。税率は店の設定の値 |
消費税額 | 「消費税(10%)」の金額 |
宛名 | 宛名の欄(「上様」や空欄にもできる) |
この表は、何が印字されるかを並べたものです。自分の店の領収書が要件を満たしているかの最終確認は、税理士に実物を見てもらってください。
消費税は1回の会計ごとに(小計+サービス料−割引)×税率で出し、1円未満は切り捨てています。合計を丸める設定で差が出たときは、内訳に「端数調整」の行が出ます。計算の順番はセット・延長・税・サービス料の計算の順番の記事でくわしく書いています。
ほかに、現場で聞かれやすい動きは次のとおりです。
使う前に知っておいてほしい点もあります。
渡した領収書の写しについて、国税庁のQ&Aでは、書類をそのまま複写したものに限らず、記載事項が確かめられるものなら、レジの控え(ジャーナル)や一覧表・明細表でもよいとされています(Q&A 問78)。保存期間は7年です(Q&A 問79)。NightTableでは「売上」の日別の明細で、伝票ごとの金額の内訳と登録番号を確かめられ、伝票明細をCSVで保存できます(日別の明細を見てCSVで出す)。ただし、領収書の画面で入れた宛名と但し書きは残らず、CSVに登録番号は入りません。これを写しとしてどう残すかは、税理士と決めてください。
登録の通知を受けたら、次の項目を順に確かめておくと、最初の営業から迷わずに出せます。
適格簡易請求書であれば、宛名は記載事項に入っていません(No.6625)。ただ、自分の店が簡易の形で足りるかは確かめる必要があり、法人のお客様が社名を求めたときは社名を入れておくと安心です。NightTableでは「宛名」に社名を入れると、社名のあとに「様」が付いて印字されます。
売上代金の領収書は、記載金額が5万円以上だと印紙税がかかります(国税庁 No.7105)。課税事業者が消費税額を分けて書いた領収書では、消費税額を除いた金額で判断します(No.7124)。クレジットカード払いで、その旨を書いた領収書は対象にならないとされています(質疑応答事例)。NightTableのA4 領収書は、受け取った額が5万円以上のときに枠を出すだけです。貼るかどうかは、これらを見てお店で判断してください。
登録していないお店は適格請求書を出せません(No.6498)。NightTableでは「インボイス登録番号」を空欄のままにすれば、番号のない領収書が出ます。登録するかどうかは客層や税の負担に関わるので、税理士に相談して決めてください。
NightTableは、料金の設定から会計・領収書・日別の明細までを、ひとつのシステムでつないで扱えます。登録番号の入った領収書を実際に出して確かめたい方は、料金ページから30日間無料で試せます。