
キャバクラの売上をエクセルで管理するなら、伝票1枚を1行にする「伝票台帳」、営業日ごとの「日計表」、キャスト別の集計の3つに分けて作るのが基本です。記録する項目、転記や集計ずれなどの限界、システムへ移る目安と、日別明細をCSVでエクセルに出す方法をまとめます。
開店したばかりで卓が少ないうちは、エクセルやGoogleスプレッドシートでも売上は管理できます。ただ、1枚のシートに何でも書き足していくと、どこかで数字が合わなくなります。はじめから役割の違う表に分けておくと、あとで直すのも、システムへ移すのも楽になります。
表 | 1行に書くもの | 使いみち |
|---|---|---|
伝票台帳 | 会計1件(伝票1枚) | すべての元になる記録。ほかの表はここから計算する |
日計表 | 営業日1日 | 日々の売上・組数・客単価の確認と、レジ締めの現金との照らし合わせ |
キャスト別の集計 | キャスト1人×期間 | 指名数・売上・バックの確認、給与計算の材料 |
大事なのは、手で数字を入れるのを伝票台帳だけにすることです。日計表とキャスト別の集計は、伝票台帳から式(SUMIFS などの関数やピボットテーブル)で出します。日計表にも直接数字を打ち込むと、同じ売上を2か所に書くことになり、片方だけ直した時点でずれが生まれます。
伝票台帳は、あとから「いくら・誰の卓で・何で払ったか」を追えるように、金額を内訳ごとの列に分けて持ちます。合計だけを書いておくと、料金を変えたときや、お客様に金額の中身を聞かれたときに確かめようがありません。
列 | 書き方の例 | 気をつけること |
|---|---|---|
営業日 | 9/28 | 深夜の会計も、その晩の営業日で書く。暦の日付とは分ける |
伝票番号 | 0928-05 | 営業日+連番にすると重ならない |
卓・お客様 | 3番卓・〇〇様 | お客様の名前は、顧客の台帳と同じ書き方にそろえる |
入店・会計の時刻 | 21:10/23:40 | 延長の回数が合っているかの確認に使う |
人数 | 2 | 客単価の計算に使う |
セット・延長 | 金額 | 1名あたりで決めている店なら「単価×人数」の式にしておく |
注文 | 金額 | ボトルだけ別の列にすると、あとで見やすい |
指名料・指名の種類 | 本指名/場内/同伴 | 種類ごとに列を分けるか、書き方を決めておく |
担当キャスト | 名前 | 複数付いたときの売上の分け方を先に決める |
割引 | マイナスの金額 | 誰が認めたかを備考に残す |
サービス料・消費税・端数 | 金額 | 会計と同じ計算の順番・端数の処理にそろえる |
合計 | 金額 | お客様から受け取った金額と一致させる |
支払方法 | 現金/カード/売掛 | 分けて払ったときは、方法ごとに金額を書く |
とくに間違えやすいのが「営業日」と「売掛」です。深夜2時の会計を暦どおり翌日の日付で書くと、1晩の売上が2日に割れて、レジ締めの現金と合わなくなります。売掛は、会計した日の売上と、あとで入金された日の現金を分けて書かないと、同じ売上を2回数えてしまいがちです。
日計表は、伝票台帳に行を足せば自動で更新される形にしておきます。手順は次のとおりです。
キャスト別の集計で揉めやすいのは、1卓に複数のキャストが付いたときの売上の分け方です。人数で等分するのか、指名したキャストに全額付けるのか、店のルールを決めて表の上に書いておきます。途中でルールを変えるなら、変えた日も残しておきます。営業後にオーナーへ送る売上報告の項目は「キャバクラの日報・売上報告に入れる項目」で詳しく書いています。
表の作り方を工夫しても、店が大きくなると、エクセルという道具そのものから来る限界が出てきます。代表的なのは次の3つです。
営業中は紙の伝票と電卓で会計し、閉店後にそれをエクセルへ打ち直す、という流れになりがちです。同じ数字を2回書くので手間がかかり、写し間違いも入ります。数字が見られるのは入力が終わってからなので、営業中に「今日はいくらか」を知るには、誰かに聞くしかありません。
日計表や月の合計が合わなくなる原因は、たいてい次のどれかです。
エクセルの側でも、式のセルを「シートの保護」で守る、支払方法やキャスト名を入力規則のプルダウンにする、といった手当てはできます。それでも、会計する場所と集計する表が別々である限り、突き合わせの手間は残ります。
ファイルをメールやLINEで回すと、どれが最新版か分からなくなります。ネット上で共有すると最新版の問題は減りますが、今度は「誰がどこまで見られるか」を細かく分けにくくなります。お客様の名前や連絡先、キャストごとの売上が入ったファイルは、コピーされれば店の外に出てしまいます。共有する相手は絞り、辞めた人の共有は必ず外しておきます。
エクセルが悪いわけではありません。卓が少なく、オーナー自身が毎晩入力していて、数字が合っているなら、無理に変える必要はありません。次のうち、いくつも当てはまるようになったら、会計と売上の記録がつながった仕組みへ移る時期です。
目安 | 起きていること |
|---|---|
閉店後の転記が毎晩の負担になっている | 入力を待たないと、その日の売上が分からない |
日計表とレジ締めの現金が合わない日が続く | 転記の間違いか現金の問題か、切り分けられない |
入力する人が2人以上になった | 誰がいつ直したのか分からない |
指名の種類やバックのルールが増えた | 給与計算のたびに式を直している |
表を作った人しか中身が分からない | その人が休むと月の締めが止まる |
店の外から数字を見たい、2店舗目を考えている | ファイルの受け渡しが増えていく |
移るときは、いきなり切り替えず、今のエクセルと並べて数日動かし、日計表の数字と新しい仕組みの売上が合うかを確かめてから切り替えると安心です。今の設定の書き出しから切替日までの流れは「管理システムを乗り換える手順」にまとめています。
NightTableでは、卓の会計を確定すると、その会計が売上の記録になります。セット・延長・注文・指名・税・サービス料の内訳や支払方法は、あとから日別の明細で1件ずつ開いて確かめられるので、閉店後にエクセルへ打ち直す作業はなくなります。
エクセルでしていたこと | NightTableでは |
|---|---|
伝票を台帳に打ち直す | 会計を確定すると、日別の明細の「伝票明細」に入る |
日計表を作る | 「売上」画面で、今日・昨日・今月などの「総売上」「来店」「客単価」「現金 / 現金以外」と、前の期間との増減が出る |
キャスト別に集計する | 日別の明細の「キャスト別の成績」に、卓数・売上(付いた人数で分けた金額)・本指名・場内・同伴・ドリンクが出る |
深夜の会計の日付を直す | 営業日の切替時刻より前の会計は、前の営業日の売上に入る |
レジの現金と照らし合わせる | レジ締めで「あるはずの現金」と「数えた現金」のズレが出て、理由を残す |
見られる人を分ける | 「売上を見る」の権限がある人だけが売上の画面を開ける |

深夜営業の店は、はじめに営業日の切替時刻を閉店より後の時刻にしておきます(店舗情報・営業時間を設定する)。売上の画面の見方は「今日と期間の売上を見る」にあります。
できないことも書いておきます。売上の画面に出るのは会計が済んだ分だけで、まだ会計していない卓は入りません。見る期間は決まった6つから選ぶ形で、日付を自由に区切ることはできません。リピート率やABC分析などの分析の画面、日報を決まった時刻にメールで送る機能もありません。営業中の入金・出金はレジに記録できますが、家賃や仕入れなど店全体の経費や原価を管理する機能は無いので、利益まで見たいときは売上をCSVで出してエクセルで経費と並べます。
システムに移ってからも、給与の確かめや税理士さんに渡す資料、経費と合わせた損益の表など、エクセルで見たい場面は残ります。NightTableの売上はCSVで保存でき、エクセルで開けます。日本語が文字化けしないように保存されるので、ファイルをそのまま開けば読めます。

CSVには伝票1件が1行で入り、列は「卓」「お客様」「担当キャスト」「入店」「会計」「滞在(分)」「人数」「基本」「延長」「注文」「指名」「割引」「サービス料」「消費税」「端数」「カード手数料」「合計」「支払方法」です。最後の行にその日の合計が付きます。エクセルで作っていた伝票台帳に近い形の表になります。
期間の売上をまとめて出したいときは、「売上」画面で期間を選んで「CSV」を押します。こちらは営業日1日が1行で、「営業日」「売上」「組数」「人数」「客単価」「現金」「現金以外」「営業状況」(締め済み・未締め・締め忘れ・休業など)が入ります。日計表の代わりに使えます。
エクセルで扱うときは、次の点に気をつけます。
日別の明細の見方は「日別の明細を見てCSVで出す」で画面の順に説明しています。
複数の人が入力するなら、はじめからネット上の1つのファイルをみんなで開いて使うスプレッドシートの方が「最新版はどれか」で迷いにくくなります。そのかわり、リンクを知っている人なら誰でも開ける設定になっていないか、辞めた人の共有が残っていないかを、こまめに確かめる必要があります。伝票台帳・日計表・キャスト別の集計に分ける作り方は、どちらでも同じです。
CSVやエクセルで書き出せるデータなら、お客様・メニュー・ボトル・売掛などの登録を運営が手伝います(データ移行の作業支援は有料契約時が対象です)。メニュー表や料金表の写真を送れば入力済みの状態で渡す初期設定の代行は無料です(初期設定の代行を頼む)。過去の売上の履歴をまとめて取り込む画面は無いので、切り替えた日から新しく記録し、それより前の分はエクセルで残しておくのが分かりやすいです。
日々の売上・伝票明細・キャスト別の成績は画面で見られるので、毎晩の転記はいらなくなります。ただ、経費と合わせた損益や、日付を自由に区切った集計は画面にありません。そこはCSVで出してエクセルで作る、という使い分けになります。
NightTableは30日間無料で試せます。今のエクセルと並べて数日動かし、日計表と数字が合うかを確かめてから決められます。料金は料金ページをご覧ください。